東京無地染は、基本的に単色の染めでありながら、重ね染めにより色合わせすることが特徴の伝統工芸品です。5 色(赤・黄・青・緑・黒)の染料の微妙な調合により、多彩な色に布を染め上げます。職人の手作業による高度な技術は、着物の反物をムラなく一様に美しく仕上げ、生地の素材、染めつける日の気温や湿度などにより、風合いや質感など、さまざまな印象に表現します。控えめで格調高さが特徴の無地染は、江戸文化として芽生え、今日まで広く多くの方に愛用されています。
現在、経済産業大臣指定伝統工芸士、東京都指定伝統工芸士、江東区無形文化財保持者
天然素材の白生地を希望の色に染め上げる「無地染」を一筋に、約50年。伝統技術と伝統技法を取り入れて、新商品の研究に日々挑戦しています。作られた染物は、初代由太郎の出身地(新潟県三島郡出雲崎町)が江戸時代後期の僧侶“良寛”の生誕の地であり、また、2代目の名前の一字が“良”であることから「良寛染」とも呼ばれています。