江戸簾は、タケ、ヨシ、ハギ、ガマ、ゴギョウ、イヨダケなどの素材を複数の編み方によって仕上げる伝統工芸品です。その歴史は古く、日本最古の和歌集「万葉集」にも記述が認められています。簾は、平安時代から宮廷や神社仏閣などで、室内の間仕切りや日よけに用いられてきました。通気性に優れ、天然素材の香りが心地よい空間を作ります。江戸簾は、庶民の生活と共に変わりゆくニーズに対応してきました。それらの技術の蓄積を生かして、現在ではタペストリーやランチョンマットの制作も行っています。
江戸産の簾を作る唯一の店として、料亭で使用される簾から歌舞伎座や京都の南座などの舞台で使用される御簾まで、伝統的素材でその時代に求められるものを作り続けています。